スポーツ外傷で比較的多い外傷に「足関節捻挫」があります
足関節捻挫は外傷なので足関節に外力が加わり足首をひねったりして負傷します
その際に足関節周辺の靭帯損傷が発生します
また、一過性の外力以外で反復性の外力が加わり靭帯をじわじわと損傷することもあります
急性期捻挫は明らかな原因があり原因が明確になっています
急性期の捻挫は靭帯の損傷(多くは部分断裂)は時間の経過と共に自然治癒します
もちろん、完全な断裂は手術をしなければなりません
手術後は患者さんの自然治癒力が働いて治癒します
早期回復するには安静(固定)と早期運動(リハビリ)といった矛盾したことしなければなりません
安静も大切ですが、早期の運動も大切です
いつからリハビリを行うか・・・まさに、匙加減です
最近の現代医学の発展は日増しに進化して、整形外科でも専門化されています
その一つに足専門の整形外科あります
関節鏡の技術の研究で事細かな手術ができ、患者に最小の負担で早期回復が実現しました
症例
数年来足関節の痛みでいろいろな整形外科受診して原因がわからず治療法も決まらずスポーツ活動を制限されている患者さん
症状は小学生の頃に両側の捻挫をして痛くなったらしいが捻ったとか転んだとか明らかな原因がないそうです
数件の整形外科受診して画像検査などしても捻挫らしき靭帯損傷が見当たらずシップで様子を診ましょう・・・・どこに行っても同じ事を言われたそうです
ある整形外科HPをみて足専門の整形外科を受診しました
足専門の整形外科とは関節鏡で足関節の微細な靭帯の損傷を見つけて手術を得意とする専門家です
関節鏡の研究に精進して、単なる画像検査ではわからない微細損傷まで治療するという足の専門医師です
当然、内視鏡による手術を行いました
手術は無事成功したそうです
その後、経過は良くて痛みはなくスポーツもできていましたが、1年くらいして特別な原因がないのにまた痛み出しました
今度は「捻挫」と診断されてシップ、安静で様子を診ましょうということでした
当院での見立てでは明らかな靭帯損傷はなく、足関節周辺の硬結や圧痛が顕著にありました
いつから痛いの?
中学に入ってクラブチームに入ってから
原因は? ひねったりした?
特にないです
同時期に内科的な症状も発症していました
足関節の痛みは神経機能のバランス異常で病理的なものではなく神経機能異常による足関節の周辺の筋肉や靭帯の痛みでした
特に腰部付近の神経筋のバランスが異常で代償的に下半身、足関節の機能異常が生じていました
さらに、以前の足関節の手術の不安があり「再発」の恐れが潜在的にあり、「スポーツを行うと痛みが出る」という脳の誤作動が心身の過剰な緊張があり「共縮現象」が起きていました
ハード面だけの施術でも改善しますが、この患者さんの場合はさらにソフト面による「脳の誤作動」をリセットすれば再発の不安は解消します